理事長挨拶

 

 静岡フィルハーモニー管弦楽団は昭和52年9月(1977年)に静岡市近隣の音楽愛好家23人が集まって発足しました。公民館やテレビ局のスタジオを練習会場に毎週平日の夜、それぞれが楽器を持ち寄り初回のコンサートに向けて練習を重ね、第一回定期演奏会は翌年5月、現市庁舎の場所にあった市公会堂で行なわれました。演奏会終了後、指揮者の早川正昭氏の言葉の中に、「ひとつの音をみんなで出したときに生まれる響きがフィルハーモニーである。」と言われたことが鮮明に思い出されます。

その後、静フィル育ての親とも言うべき故石丸寛氏との出会いは、先生の厳しくも愛情を込めた指導の下、海外公演を何度も成し遂げてしまうほどのオーケストラに成長させてくれました。他にも、実力のある指揮者と、国内外で活躍のソリストとの共演を重ねると共に、地元バレエ団、合唱団ほか音楽団体との共催などで本格的なオペラやバレエの公演も数多く開催して来ました。  

アマチュアでありながらプロの指導やプロとの共演を通して、自分たちの演奏も引き上げられ、音楽の美しさや素晴らしさを体験することができます。そして作曲家が残してくれた音楽を、気持ちを込めて演奏することで、市民に愛される演奏会活動の実現につながっています。ほとんどの団員は本業の仕事を持ちながら、愛する楽器を携え、毎週の練習に数多く集まって来ます。そこには様々な困難もありますが、それぞれの出す音が指揮者の指示で変わって行く、響きと音のうねりが伝わる、気持ちと音が揃って行くということを肌で感じつつ、楽器を演奏することに喜びを感じています。正に「フィルハーモニー」が生まれます。また演奏会では、お客様の暖かな声援が会場の雰囲気を盛り上げ、オーケストラ音楽という作品を通して、会場全体が感動の渦に包み込まれるひと時となります。

私たちはこのような場を、感受性の高い中高生たちに体験してもらうことに積極的にならなければならないと考え、今後の活動に反映して行きたいと思います。静岡という理想的な規模の都市で、音楽を愛し、音楽に愛されて活動出来る市民オーケストラとして、より感動が伝わるサウンドを求めつつ、未来に向かって精進して参る所存です。

平成25年6月

江 成 博 行